杞憂 needless fear 2005 2 17

 なぜ、今頃になって、
以下の「明暗」や「衆愚政治」という記事を持ち出してきたのか。
それは、アメリカのことが心配になったからです。
 もちろん、アメリカが、日本と同じ過ちを犯すことはないでしょう。
これが、杞憂に終わることを願って書いたわけです。

明暗 light and shade 2005 2 8
 知人から、このようなことを、よく聞かれます。
「この20年間で、何が起きたのか。」
 「1980年代は、日本経済は、絶好調で、
世界中の富を買い占めるぐらいの実力があった。
都市銀行は、世界ランキングの上位を独占していた。」
 「1990年代は、日本経済は、不況や不景気に悩まされ、
世界経済における日本の地位が、大きく低下してしまった。
都市銀行は、合併しないと生き残れない状態まで、弱体化した。」
 これに対する私の答えは、
「多くの者が、経済というものを知らなかった。
そして、日本経済の仕組みも知らなかった。」と答えています。
 だから、1990年代において、日本は、「官製不況」になってしまったのです。
多くの国が、これを教訓としてほしいと思います。

衆愚政治 mobocracy 2004 8 20
 人気取りの政策は、必ず失敗します。
たとえば、2004年8月19日の日本経済新聞には、このような記事があります。
「新宿の西富久の土地には、旧日本債券信用銀行など複数の銀行が、
総額数百億円の融資をつぎ込んでいた。
 ところが、旧大蔵省が、不動産向け融資を抑制させる『総量規制』を導入。
資産デフレの中で、融資の担保になっていた土地は、
1平方メートル約200万円から55万円に急落。
 担保割れで、融資は不良債権化し、
地上げ途中の土地は、そのまま塩漬けになった。
 土地神話を背景に膨らんだ不動産担保融資は、
地価下落で、巨額の不良債権に姿を変えた。
 銀行は、公的資金注入を受け、
金融再編を繰り返しながら、その処理に10年の歳月を要した。」
 当時は、多くの人が、不動産価格の高騰を、一方的に悪者にして、
これを退治するということで、人気取りをしていたのです。
しかし、こうした人気取りの政策は、必ず失敗します。
 これは、大衆迎合が度を過ぎると、どうなるかという失敗例でしょう。
このケースは、衆愚政治の一例として、記憶に残るでしょう。
 資本主義国において、株式市場は、エンジンであり、富の源泉でもあります。
しかし、日本においては、もうひとつエンジンがありました。
 それは、不動産価格です。
実は、これが、本当の「日本の富の源泉」だったのです。
実質的には、株式市場は影の存在であり、本体は不動産価格だったのです。
そういうわけで、日本においては、ある意味で、
不動産価格は、株価の役割を果たしていたのです。
 たとえば、アメリカにおいて、株価を下げる政策を実施したら、どうなるでしょうか。
おそらく、アメリカ経済は、大混乱となってしまうでしょう。
しかし、日本においては、そういう政策をやってしまったのです。
 不動産融資の総量規制、金利の急激な引き上げ。
こういう政策を実施すれば、不動産価格が急落しますので、
当時の世論からすれば、人気取りとなったでしょう。
しかし、日本経済は、大きく失速しました。
 確かに、バブル経済の時は、多くの問題が発生しました。
しかし、日本の富を使って、世界を救えたのです。
アジアの発展、中東の復興、アフリカの救済に貢献できたのです。
 今、こうした救済をできる国は、一つもないでしょう。
残念なことですが、世界経済は、迷走を続けるかもしれません。
後の祭りですが、日本のバブル経済という繁栄が、世界を救うために使えたのです。












































トップページへ戻る

News Idea Factory へ戻る